【理学療法士監修】 「外反母趾」って何? 基礎知識と対策をくわしく解説!
【理学療法士監修】
「外反母趾」って何? 基礎知識と対策をくわしく解説!
更新日:2022年11月28日

靴を履くと、足の親指の付け根が痛い……足の裏にタコができて歩くのが辛い……。
それ、もしかしたら「外反母趾」かもしれませんよ!
成人のおよそ30%に見られるという外反母趾。
病名はよく目にするけれど、実際はどのような症状かわからないという人も多いはず。
今回は、そんな外反母趾の基礎知識と適切な対策について、理学療法士監修のもと、わかりやすく解説します。
それ、もしかしたら「外反母趾」かもしれませんよ!
成人のおよそ30%に見られるという外反母趾。
病名はよく目にするけれど、実際はどのような症状かわからないという人も多いはず。
今回は、そんな外反母趾の基礎知識と適切な対策について、理学療法士監修のもと、わかりやすく解説します。
1.外反母趾の基礎知識
知っているようで知らない、外反母趾。
今さら人には聞けない、基本的な症状や原因について詳しくご説明します。
今さら人には聞けない、基本的な症状や原因について詳しくご説明します。
外反母趾とは
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第1中足骨(親指側の甲にある細長い骨)が内に向いてしまうため、母趾(親指)の内側にタコができ痛みが生じます。
進行すると母趾が内によじれ、本来の位置から逸脱するため、母趾で地面を支える力が弱くなり、第2趾と第3趾(中指)の付け根の足底面に負担が増大。
結果、足のアーチ構造(歩行の際にバネやクッションになる部位)が破綻し、足底にも痛みを伴うタコが出現します。
原因
1番大きな原因は「靴を履くこと」と言われています。
幅の狭い、つま先が細くなった靴を履くことにより、母趾の付け根から先が圧迫され変形が生じてしまいます。
かかとの高い靴を履くと、さらに変形を強める原因になります。
症状
靴を履くと、突出している部分が当たるので痛みを感じます。
軽く歩いただけでも痛みが生じるため、日常的な歩行が困難になってしまいます。
また、足の変形やタコの出現を伴うため、サンダルなど足が露出する靴を履くと見栄えも良くありません。
一度外反母趾になると自然治癒は難しく、悪化すると骨切り手術に発展することも。
2.お悩み解決!外反母趾の正しい対策方法
では、外反母趾にならないためにはどうすれば良いのでしょうか?
日常生活でできる対策についてご紹介します。
日常生活でできる対策についてご紹介します。
筋トレをして姿勢を良くする
膝やお尻の筋力が低下したり、体幹機能低下により姿勢が悪くなると、足に負担がかかり衝撃吸収作用が弱まってしまいます。
それが外反母趾の原因になるため、日頃からスクワットなど足腰を鍛える筋トレを行ったり、良い姿勢の保持を意識しましょう。
それが外反母趾の原因になるため、日頃からスクワットなど足腰を鍛える筋トレを行ったり、良い姿勢の保持を意識しましょう。
肥満はNG
体重が増加し、身体を支える足の横アーチと縦アーチに負担がかかることによって、外反母趾を生じる可能性があると言われています。
特定の食べ物や飲み物で外反母趾が悪化することはありませんが、肥満にならないように健康的な食生活を心がけましょう。
足指の体操をする
母趾と第2趾の間の筋肉(母趾内転筋)のストレッチになる「ホーマン体操」や、足指の関節の曲げ伸ばしに効果的な「ショートフットエクササイズ」など、足の体操を日常生活に取り入れてみるのも良いでしょう。
<ホーマン体操>
①太めの輪ゴムを両足の親指にくくりつける。
②かかとを合わせたまま、両足のつま先を開く。
③そのまま10秒間キープ。
④この動きを20回繰り返す。
<ショートフットエクササイズ>
①足の裏を水平な床につける。
②足先を曲げないように、母趾の付け根を踵に近づけて5秒キープ。
③土踏まずが上がっていることを意識する。
④この動きを100回繰り返すことが望ましいが、まずは20~30回でOK。
外反母趾について、少しでも理解を深めていただけましたか?
次回は、外反母趾の最大の原因である「靴」の正しい選び方についてご紹介します。
<ホーマン体操>
①太めの輪ゴムを両足の親指にくくりつける。
②かかとを合わせたまま、両足のつま先を開く。
③そのまま10秒間キープ。
④この動きを20回繰り返す。

①足の裏を水平な床につける。
②足先を曲げないように、母趾の付け根を踵に近づけて5秒キープ。
③土踏まずが上がっていることを意識する。
④この動きを100回繰り返すことが望ましいが、まずは20~30回でOK。

外反母趾について、少しでも理解を深めていただけましたか?
次回は、外反母趾の最大の原因である「靴」の正しい選び方についてご紹介します。

監修:高山 弘幹
資格・所属学会
理学療法士(脳卒中認定理学療法士)
ドイツ筋骨格医学会認定マニュアルセラピスト
略歴
阪奈中央リハビリテーション専門学校
理学療法学科 専任講師
関西学院大学水上競技部 メディカルスタッフ
桃山学院高校水泳部 トレーナー
豊中水球クラブ トレーナー
高山先生
日本は下駄の文化だったので、つま先が狭まっている靴を履く習慣がなく、外反母趾は医学的な治療対象になっていませんでした。
もともとは靴の歴史が長い、欧米人に多い病気だったんですね。
日本に靴文化が根付くようになり、急速に外反母趾が増加したと言われています。