【理学療法士監修】足・膝・腰の痛みに効く!インソールの効果を徹底解説

更新日:2023年3月24日

 
膝や腰の痛みが気になるけれど、整体に行ったりマッサージをしてみても良くならない……という方。
もしかしたら、足回りにも原因があるかもしれません。
足の形は全身に影響を及ぼすと言われており、足の形が悪い状態で生活することにより、知らず知らずのうちに膝や腰にも何らかのストレスを与えてしまっている可能性があるのです。

そこで役に立つのが、インソール
靴のサイズ調整のために用いられるイメ―ジが強いインソールですが、足の健康を保つ目的での使用も推奨されているのです。
今回は理学療法士・高山弘幹先生監修のもと、インソールの有用性について紹介していきます。

1.足の形が全身に影響を及ぼす理由



そもそも、どのようにして足の形が全身に影響を及ぼしていくのでしょうか。
踵の骨が内側に倒れた場合を例にして解説します。

まず、踵の骨が内側に倒れてしまうと、土踏まずが潰れ、扁平足になります。
さらに、踵の骨が内側に倒れるとそのさらに上にあるすねの骨(脛骨)が内側にねじれ、その上にある太ももの骨(大腿骨)も内側に捩れることになります。
太ももの骨が内側に捩れると、上にある骨盤もそれに連動。前に倒れる(前傾する)形をとり、その上にある腰の骨(腰椎)は反る方向に動いてしまいます。

インソールを使用すれば、踵の骨が正常ではない方向に倒れるのを防いでくれます。
骨を適切な位置に戻すことで、足のみならず、膝や腰などにもポジティブな影響を与えると考えられます。
実際、次のような研究結果も明らかになっています。

変形性膝関節症患者の動作時、安静時、夜間の疼痛が有意に軽減された



参考文献:Raja K, Dewan N. Am J Phys Med Rehabil 2011)

8週間、内側ウェッジインソール(重心移動を補助するインソール)を使用した結果、変形性膝関節症(いわゆるO脚がひどくなった状態)患者の膝の痛みが軽減したというもので、興味深いのは運動以外の痛みも改善している点です。
インソールによって膝にかかるストレスが軽減したことにより、じっとしている時に感じる痛みも減ったと考えられます。
またこの論文では、着脱が必要な膝のサポーターよりも、靴に入れて履くだけのインソールの方がしっかりとサポートしてくれるという結果も出ています。

適切なインソールと靴を着用することで慢性的な腰痛の解決に繋がる可能性がある



参考文献:L.Kong et al. Res Sports Med. 2020.

「靴とインソールが慢性腰痛と本当に関連しているのか?」といった内容の論文です。
本論文では、インソールや足のサポーターを着用することで腰痛が改善する可能性があり、また、不安定でサイズが合っていないような靴の使用は慢性腰痛に繋がる恐れがあるという結論が導き出されています。

2.インソール使用者の声と解説



では、実際にインソールを使用した人はどのような効果を感じているのでしょうか?
今回は、リゲッタの「ルーペインソール」と「バインクッションプラス」を購入された方から寄せられた声と、理学療法士の見解をご紹介します。
バインクッションプラスの詳細はこちらの記事をご覧ください。

足底筋膜炎が改善

以前、リゲッタのサンダルでディズニーを1日歩き回っても足が疲れなかったことを思い出しインソールを購入。
今回、足底筋膜炎になり足の痛みに困っていましたが、こちらのインソールを使うと痛みなく歩けました。
外ではこのインソールを入れた靴で、家の中ではリゲッタスリッパを履き、通院せずとも足底筋膜炎は完治しました。感謝です

高山先生 
足底筋膜炎は、スポーツで積極的に走る人や、長時間の立ち仕事の人などがなりやすい疾患で、踵付近に着く筋肉(足底筋膜)に炎症が起こることで痛みが発生します。
扁平足と合併している人が多く、踵が内側に倒れる(距骨下関節回内位)のに伴い、土踏まずが低下してしまうのです。
土踏まずはドーム構造で地面からの衝撃を吸収する役割がありますが、低下して扁平足になると足底の筋肉が厚く硬くなり、筋肉が付着している踵のところにストレスがかかり痛みが生じます。
こうした痛みに対し、土踏まずや踵をインソールでサポートすることにより、短期〜中長期的な効果が得られると考えられます。

モートン病による痛みがマシに

モートン病です。長く歩くと動けないくらい足指の関節あたりが痛みます。
もう数年苦しんでます。整形で作ったインソールもダメでした。
でも、こちらのインソールを仕事靴につけたところ、少しの痛みは出ますが歩けなくなるほどではありません。感謝です。
まだ仕事のみの使用ですが、このまま痛みがなく過ごせたらいいのですが。おしゃれな靴を履きたいので、もう少し様子を見て良ければリピします

高山先生 
モートン病は、足裏の神経(総足底趾神経)が、中足骨頭および深横中足靱帯により体重をかけた際に締め付けられることで痛みや痺れが生じる疾患です。

高山先生 
外反母趾や扁平足、関節リウマチによる、足指や足の変形に合併する障害とされています。
医療現場でも、モートン病の方には靴の変更やインソールの処方が有効と考えられています。
靴は、中足部で足と靴の間に隙間がなく、靴の中で足がずれないようにしっかりとホールドされる構造を有するもの、インソールではパッドをつけて横アーチを保持し、神経腫のある部位には柔らかいパッドを当てることが良いと論文や解説などで言われています。
実際、私が過去に担当した患者さんも、神経腫があたりそうな部分を柔らかいもので守ることにより改善しています。

リゲッタの「ルーペインソール」と「bine(バイン)」を使ってみた


1ヶ月前に、右足首を捻挫してしまったというAさん。
今回、Aさんにリゲッタが出している「ルーペインソール」と「bine(バイン)」の2種類のインソールを使用していただき、その結果を高山先生に見てもらいました。
※右片足立ち(右足首捻挫が直近1ヵ月であり)

高山先生
裸足ではかなり体が後ろに傾いており、腰も反っていてお腹が突き出ていますが、ルーペインソールやbine(バイン)を使用することで重心が前に移動し、反り腰が改善されているように見えます。

※右片足立ち(右足首捻挫が直近1ヵ月であり)

高山先生
前から見てみると、裸足ではかなり右に傾いていますが、ルーペインソールやbine(バイン)を使用した時はそれが改善されているように見えます。

ルーペインソールとbine(バイン)を使用した、Aさんのご感想は次の通りです。

踵がかなり安定するので、右足で踏ん張った時にも外くるぶしの痛みが少しマシになっています。
bine(バイン)の方は足指の付け根あたりにもすこし柔らかめの出っ張った部分があり、そこがあるおかげか、より踏ん張りやすい気がして、スクワットなど足の筋力トレーニングをするときの痛みが和らぎました。
また、以前は歩いているときにちょくちょく右足首を捻挫していましたが、スニーカーにbine(バイン)を入れてからはそれがほとんどなくなったように思います。
一方、革靴にはルーペインソールを入れていますが、仕事で丸2日間歩きっぱなしだったときも、以前のような足裏〜ふくらはぎの疲れをあまり感じませんでした

靴にサッと入れるだけで、身体に良い影響を与えてくれるインソール。
膝・腰・足に痛みを感じる人はもちろん、疾患を予防したい人もぜひ取り入れてみてはいかがでしょう。

   監修:高山 弘幹

   資格・所属学会
   理学療法士(脳卒中認定理学療法士)
   ドイツ筋骨格医学会認定マニュアルセラピスト

   略歴
   阪奈中央リハビリテーション専門学校
   理学療法学科 専任講師
   関西学院大学水上競技部 メディカルスタッフ
   桃山学院高校水泳部 トレーナー
   豊中水球クラブ トレーナー


 

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