足底筋膜炎の原因とは?ストレッチやテーピングなど治し方もご紹介
更新日:2024年12月5日

起床時、足を床についた途端に痛みを感じる――。そんな人は「足底腱膜炎」が疑われます。
足底腱膜炎は、中高年の女性や、スポーツを頻繁に行う人がなりやすい疾患と言われています。
悪化すると痛みが強くなり、症状が治るまでに1年ほどかかることも。痛みを長引かせないためには、早めの対処が重要です。
今回は、意外と怖い足底筋膜炎について詳しくご紹介します。
ヒールをよく履く方やスポーツが好きな方など、心当たりのある人は要チェックですよ!
目次
1.足底筋膜炎とは
2.足底筋膜炎の症状
3.足底筋膜炎の原因
‐ 足に合っていない靴を履いている
‐ 加齢や体重増加
‐ 偏平足やハイアーチ
‐ 足裏に負担がかかる運動を繰り返す
‐ 長時間の立ち仕事
4.足底筋膜炎のNG行為
‐ 過度な運動
‐ 足への負担が大きい靴を履く
‐ 自己判断での冷却
5.足底筋膜炎の予防法
‐ 正しい姿勢で歩く
‐ ストレッチで柔軟性を高める
‐ クッション性のある靴を履く&インソールを入れる
‐ テーピングを行う
1.足底筋膜炎とは

足底筋膜炎とは、足底腱膜炎とも呼ばれ、足裏のかかとから足指の付け根をつなぐ強靱な繊維状の組織「足底腱膜」が炎症を起こし、痛みが起こるものです。
足底腱膜は足底の土踏まずを保持して、足裏に受ける衝撃を吸収する役割があります。
さらに、その吸収した力を蹴り出しのエネルギーとして活用する「ウインドラス機構」にも関与しています。
ウインドラス機構とは、歩行時に足底筋膜が引き伸ばされることで足のアーチが高まり、足の安定性とエネルギー効率を向上させる仕組みです。
これにより、歩行やランニングがスムーズに行えます。
足底腱膜の働きが悪くなると、足底が地面に着地するときの衝撃吸収や蹴り出す力のバランスが崩れ、走りにくさや歩きにくさを感じます。
2.足底筋膜炎の症状

足底筋膜炎は、足底筋膜が炎症を起こし、小さな断裂を繰り返している状態です。かかとや足底が地面に着地した際に、足底筋膜が伸ばされて痛みを感じます。
特に、起床後や休憩後の第一歩など、安静後の踏み出しで痛みが出やすく、歩いていると次第に痛みが軽くなっていくのが特徴的です。
また、ウインドラス機構がうまく機能しなくなるため、足を蹴り出すエネルギーが足りなくなります。
症状が悪化すると、かかとの骨に骨棘というトゲのような突起ができ、さらに痛みが増してしまいます。
ほかにも、足に痛みが生じる疾患は以下のようなものが挙げられます。
気になる方はこちらもご覧ください。
●外反母趾
●開張足
3.足底筋膜炎の原因

では、なぜ足底筋膜炎が生じてしまうのでしょうか。原因は、主に以下の5つが考えられます。
足に合っていない靴を履いている
革靴やハイヒールなど、足に負担のかかる靴をよく履いていると、足底筋膜の発症リスクが高まると言われています。
また、サイズの合っていない靴も足底筋膜に大きな負担をかけるため、靴は自分の足にぴったりフィットするものを選びましょう。
正しい足のサイズの測り方、靴の探し方はこちらの記事をご覧ください。
加齢や体重増加
加齢により足底筋膜が硬くなり、クッション性が低下するとダメージが残りやすくなります。
また、肥満の方は適正体重の方に比べて足底筋膜にかかる負荷が大きいとも言われています。
偏平足やハイアーチ
足のアーチが低く、土踏まずがなくなり足の裏が平らな偏平足は、安定性が低い足であり、
衝撃の分散機構が通常よりも損なわれているため足底筋膜に衝撃がかかりやすいと考えられます。
また、逆に足のアーチが高いハイアーチは柔軟性が低い足と考えられ、こちらも足底筋膜炎のリスクが高いと言えます。
足裏に負担がかかる運動を繰り返す
マラソンやジョギングのほか、テニス、バスケットボールなど、ジャンプや素早い方向転換を行うスポーツを繰り返すと足底筋膜の炎症に繋がります。
足底筋膜炎は、スポーツ選手にも生じやすい疾患と言われています。
長時間の立ち仕事
長時間立ちっぱなしだと、足の裏やかかとに体重をかけ続けることになり、足底筋膜への負担が増大してしまいます。
4.足底筋膜炎のNG行為

足底筋膜炎の疑いがあったり、診断を受けたら、以下の3つの行為はなるべく控えるようにしましょう。
過度な運動
足底筋膜炎の原因となったスポーツは、当分お休みしなくてはなりません。
ほかにも、ジャンプ、ダンス、長距離走など、かかとへの負担が大きい運動はNGです。
長時間の立ち仕事にも注意が必要です。
足への負担が大きい靴を履く
スリッパ、ビーチサンダル、ハイヒール、サイズが合っていない靴など、足底に負担をかける靴での歩行は避けましょう。
足の縦のサイズはもちろん、横幅、甲やアーチの高さなども考慮した靴選びが大切です。
自己判断での冷却
足底筋膜炎はかかと周囲が炎症している状態のため、冷やすことで症状が改善する場合もありますが、温めたほうが良い場合もあり一概には言えません。
症状がなかなか収まらない場合は自己判断での冷却をやめ、お医者さんに相談しましょう。
5.足底筋膜炎の予防法

足底筋膜炎になってしまうと、薬物療法やリハビリテーションによる治療を行うことになり、スポーツや立ち仕事も制限されてしまいます。
足底筋膜炎にならないためには、日頃から予防やセルフケアを心がけることが重要です。
最後は、足底筋膜炎の予防法を5つご紹介します。
正しい姿勢で歩く
パタパタと音を立てて歩く、足を地面に擦りながら歩くなど、歩き方にクセがあると足底筋膜に負担をかけてしまいます。
日々、正しい姿勢で歩くことを意識しましょう。
正しいウォーキングの方法は、こちらの記事を参考にしてみてください。
ストレッチで柔軟性を高める
足の筋力や柔軟性が低下すると、足底筋膜に負担がかかり、炎症を起こしやすくなります。
日常的にストレッチをとりいれ、筋力と柔軟性を高めると良いでしょう。
かかとを床につけた状態で、手で足の指を自分側にゆっくり引き寄せる「足裏伸ばし」や、
体育の準備運動などで行う「アキレス腱伸ばし」などが効果的です。
ほかにも、自宅で簡単に行える足のストレッチやマッサージは色々ありますので、
ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
クッション性のある靴を履く&インソールを入れる
足裏を着地時の衝撃から守ってくれる、クッション性に優れたシューズを履くと、足底筋膜炎にかかるリスクを抑えられるでしょう。
足裏のアーチをサポートしてくれる、衝撃吸収性の高いインソールを入れるのも効果的です。
足に良いインソールの選び方や、おすすめ商品については、こちらの記事を参考にしてみてください。
テーピングを行う
足底のアーチ構造が崩れると、地面からの衝撃をうまく吸収できなくなってしまいます。
テーピングでアーチを作れば、クッション機能をサポートする効果が期待できます。
一度なってしまうと、治療に時間やお金を要する足底筋膜炎。日頃から足に無理をさせず、自分自身を労わってあげるのが大切ですね。
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